本当に女性に多いのですが、
- 「膝の内側が痛い!」
- 「いつも朝起きると痛い!」
という方をよくお見かけします。
こちらの記事では膝の内側に痛みが出てしまう原因を解説し、おすすめのストレッチや筋膜リリースを紹介します。
女性特有のクセは膝や股関節の痛みになりやすいため、まずはご自身の生活にどんな癖があるか意識しながら読んで頂ければ幸いです。
膝の内側が痛くなる原因
膝の痛みはいろいろあり、外側も真ん中も裏側の人もいるのですが、圧倒的に多いのが内側の人です。
そして特に女性に多いです。女性にありがちな内股(膝が内側を向いてしまう状態)が深く関係しているからですね。
あまり馴染みのない言葉ですが、日常生活レベルの運動習慣で起こる膝の内側の痛みの多くは、鵞足炎のという炎症の可能性が高いと考えています。
鵞足炎とは?

鵞足炎がそくえんとは、スポ―ツなどにより引き起こされる、膝ひざの慢性的な炎症です。鵞足滑液包炎がそくかつえきほうえんと呼称される場合もあります。
鵞足がそくとは、膝の関節のすぐ下にある脛骨けいこつ(すねの内側の長い骨)につながっている3つの腱*(筋肉と骨をつなぎとめている線維組織)です。この形状がガチョウの足のようにみえることから「鵞足」と呼ばれます。
https://medicalnote.jp/diseases/鵞足炎
鵞足炎(がぞくえん)とは脛骨の一番上の部分、まさに膝の内側の炎症のことを指します。
鵞足という言葉は筋肉の作りが由来となっています。
脛骨にはハムストリングの内側の筋肉である半腱様筋、開脚時に伸びる薄筋、縫工筋がくっついており、その三つの腱が鳥の脚のように見えることからその名前がついたようです。
その三つの筋肉がすごく窮屈な状態になったり、ストレスがかかってしまい、炎症が起こり痛みが出てしまいます。
脚に体重がかかる度に痛いのではないでしょうか。
病院に行って鵞足炎と診断されても「痛みが引くまで安静に」とだけ言われてしまうのですが、痛み止めを飲んで安静にしてて痛みが引いても、動作に問題があればまた再発してしまいます。
筋トレやストレッチ等で積極的に改善できる可能性もありますので、何もしないことがいつも正しいとは思わないようにしましょう。
膝の内側に痛みが出やすい日常動作の主な4つのパターン
そもそも人の身体は特定の箇所にストレスがかからないように出来ています。
膝の内側が痛くなるということは、姿勢や動作に問題があるということですね。
膝の内側にストレスがかかる姿勢や動作は主に以下の4つが挙げられます。
1.X脚のように立ち姿勢が内股になってしまっているとき

女性特有の内股の姿勢で、非常に多いです。
時々男性でも見受けられます。
2.膝を内側に向けて座る癖がある

これはかなり女性特有といえますね。

あとはこのような座り方です。
3.階段の上り下りで膝が内側の方向に向いているとき

階段を登る時、こんな感じで膝が内側に向いていませんか?

正しくはまっすぐです。
4.スクワット系のしゃがむ・立つといった動作のときに、膝が内側の方向に向いているとき
椅子に座るときに膝と膝をくっつけていないでしょうか。

そのような癖のある方は高い確率で膝の内側が痛くなりやすいです。
以上のような動き方に心当たりないでしょうか。
姿勢や動作のことは誰かに言われなければ意識出来ないようなことなので、自覚している人はかなり少ないです。
これらの動作や姿勢が悪い癖であり、日常的に連続して行われるので癖がどんどん強くなり身体に痛みが発生してしまいます。
膝の内側に痛みが出る方が硬くなりやすい筋肉
上記のような癖がある人が、使い過ぎたり硬くなりやすい筋肉は以下が挙げられます。
主に硬くなる筋肉は以下です。

太ももの裏側の外側にある「大腿二頭筋」は歩行や踏み込み時に膝が内側を向いていると緊張しやすくなってしまいます。
「大腿筋膜張筋」は股関節の内旋の機能により内股気味だと緊張してしまいますし、「外側広筋」は階段の踏み込み動作などで膝が内側に入っているときに使いすぎてしまいます。
これらの筋肉は筋膜リリースで緩めたり、ストレッチをして伸ばすべき筋肉であるといえます。
膝の内側の痛みの為のストレッチ・筋膜リリース
今回はご自身でも行えるようなセルフコンディショニングをご紹介します。
トレーニングも取り入れた方が良いのですが、まずは緊張している筋肉を緩めた上で実生活を送ってみましょう。
筋膜リリースにはグリッドフォームローラーを使用します。
外側広筋の筋膜リリース
硬くなった筋肉に対して行いますので、痛みも伴うかもしれません。ゆっくり丁寧にやってみましょう。

①うつ伏せで肘を立て、フォームローラーの上に施術する方の片脚を乗せます。
つま先を内側に回すように股関節を45度内旋させ、外側広筋の膝付近が当たるようにセットします。
もう片方の脚は股関節90度、膝関節90度で横に開き、お腹に力を入れるように身体を真っすぐに保ちます。

②身体を前後に動かしながら5cm程ストロークします。
ゆっくり深呼吸しながら行います。

③ストロークしたら45度程度で良いので、膝の曲げ伸ばしを行います。
これも5回程行いましょう。
膝付近を中心に行いたいですが、出来れば股関節付近の外側広筋も行いましょう。
腸脛靭帯の筋膜リリース

①床に横向きになり下の脚を伸ばし、上の脚は膝を立てます。
肩の真下に肘がくるように肘を立て、下の脚の腸脛靱帯に当たるようにフォームローラーを置きます。
上の手は床に着いてバランスを取るようにしましょう。

②身体を動かして5cm程度ストロークします。5回程行います。
腸脛靭帯は痛みが伴いやすいので、ゆっくり行いましょう。
また、靭帯は緩め過ぎに注意したいので、頻度は多くても週2回くらいに留めるようにしてください。
大腿二頭筋の筋膜リリース

①大腿二頭筋の硬いところは膝付近になりますので、施術する脚のその辺りにフォームローラーを当てます。
膝が外側を向いている状態です。

②施術する脚とは反対側の手で真上から圧をかけ、お尻を上げます。

③圧をかけたまま4〜5回ほどストロークします。

④ストロークしたら2回ほど左右にスライドさせます。
リリースするときは膝が曲がった状態でも良いので、外側にある大腿二頭筋の深くまで圧がかかるようにやってみてください。
関連記事: >>ハムストリングの筋膜リリースを詳しく見る
外側広筋のストレッチ
外側広筋のストレッチを紹介しますが、その前に一般的な大腿四頭筋のストレッチを覚えましょう。

伸ばす方の膝を曲げ、太ももを伸ばします。
壁に手を着いてバランスを取りながらやりましょう。

腰が反らないようにお腹に力を入れながら行うとより伸び感を感じられます。
ダメなパターンとして、腰が反ってしまうとこうなります。

腰が反らないようにお腹に力を入れましょう。
で、この大腿四頭筋のストレッチを少し変えたのが外側広筋のストレッチです。

足の上げる位置を、少し反対のお尻の方に持っていきます。
反対の手で持つとやりやすいですが、膝が外側に逃げないように注意して行いましょう。
こちらが外側広筋のストレッチの形です。

このように膝が外側に逃げてしまうのは上手くできていない失敗例です。
伸ばした状態で20秒ほどキープしましょう。
大腿二頭筋のストレッチ
では最後に太ももの裏側であるハムストリングの外側の筋肉の「大腿二頭筋」のストレッチです。
イメージは一般的な前屈のストレッチなのですが、ちょっとしたコツを加えると大腿二頭筋がよく伸びるのでやってみましょう。

まずは一般的な片脚だけ伸ばす普通の前屈です。

両足一緒に伸ばすよりは伸び感が出やすいので、前屈が硬い人は日々やることをおすすめします。
膝が曲がらないように注意しましょう。

では大腿二頭筋のストレッチですが、つま先を股関節から外側に開いて前屈のストレッチをやってみましょう。
このようにつま先を外側に倒します。

太ももの裏側の外側に筋肉に伸びる感覚があればうまくできています。
こちらも20秒程度行いましょう。
あとがき
硬く縮まった筋肉はストレッチを行い、弱い筋肉はトレーニングで鍛える必要があります。
今回ご紹介した内容を行い、その後トレーニングをするというのが理想です。
しかし正直なことを言うと、身体の調整は「姿勢や動作の正しい評価」が前提にあるべきです。
残念ながらブログでは私が読者の皆さんの身体の評価をすることはできません。
ご自身で行う場合は自己責任でやるしかなく、実際のところ感覚でやってみて痛みが改善するかというと、そこは何とも言えません。
自分でやっても効果が出ない場合はそもそも症状が違うかもしれませんし、うまく出来ていないこともあります。
しかし多くの場合、何もしないことが正しいということはあまりありません。
意外と簡単に良くなったりもするものです、いつでもお気軽にご相談ください。
コメント
コメント一覧 (2件)
ジム通い10年目53歳主婦です。
膝内側が痛く大好きなレッスンに出られ無くなると悲しいです。とても参考になりました。
今日早速ストレッチやってみます。
是非やってみてください^^