ニーイン・トゥーアウトといって、つま先が外側を向いたり、膝が内側を向いてしまう不適切な動作のパターンがあります。
以下の画像のような形です。

ニーイン・トゥーアウトの癖がついてしまうと、
- 踏む込み時に力が入りにくい
- 太ももの外側の筋肉が張りやすい
- 膝に痛みが出やすい
- お尻の辺りに痛みが出やすい
といったことが起こりやすくなってしまいます。
こちらの記事ではニーイン・トゥーアウトになってしまう日常動作の原因を解説し、おすすめのストレッチや筋膜リリースをご紹介します。
特に女性に多いニーイン・トゥーアウトですが、膝や股関節の痛みになりやすいため、まずはご自身の生活にどんな癖があるか意識しながら読んで頂ければ幸いです。
ニーイン・トゥーアウトになりやすい不適切な動作の主な4パターン
そもそも人の身体は特定の箇所にストレスがかからないように出来ています。
ニーイン・トゥーアウトになってしまうということは、普段の姿勢や動作に問題があるということですね。
不適切な動作は主に以下の4つが挙げられます。
1.X脚のように立ち姿勢が内股になってしまっているとき

女性特有の内股の姿勢で、非常に多いです。
つま先は真っ直ぐな方だけど、股関節が内旋といって内側に回っており、膝が内側を向いています。
時々男性でも見受けられますね。
2.膝を内側に向けて座る癖がある

これはかなり女性特有といえますね。
あとは以下ような座り方です。

体は同じ姿勢を続けるとそのままの形の癖がついてしまいますので、時々崩したり、立ち上がるようにしましょう。
3.階段の上り下りで膝が内側の方向に向いているとき
階段を登る時、こんな感じで膝が内側に向いていませんか?

つま先だけ外を向いているような人も多いですね。
正しくはまっすぐです。

4.スクワット系のしゃがむ・立つといった動作のときに、膝が内側の方向に向いているとき

椅子に座るときに膝と膝をくっつけていないでしょうか。
そのような癖のある方は高い確率でニーイン・トゥーアウトになりやすいです。
何も考えずに椅子に座ってみてください。
姿勢や動作のことは誰かに言われなければ意識出来ないようなことなので、自覚している人はかなり少ないです。
以上のような不適切動作が起きているとニーイン・トゥーアウトになりやすくなってしまい、体の癖として強く残ってしまいます。
酷い場合痛みになることもありますので、とにかく気をつけたり、後で紹介するエクササイズを行うようにしましょう。
ニーイン・トゥーアウトのとき硬くなりやすい筋肉
前述のような不適切動作の癖がある人が、使い過ぎていたり硬くなりやすい筋肉は以下が挙げられます。
主に硬くなる筋肉は以下です。

太ももの裏側の外側にある「大腿二頭筋」は歩行や踏み込み時に膝が内側を向いていると緊張しやすくなってしまいます。
「大腿筋膜張筋」は股関節の内旋の機能により内股気味だと緊張してしまいますし、「外側広筋」は階段の踏み込み動作などで膝が内側に入っているときに使いすぎてしまいます。
これらの筋肉は筋膜リリースで緩めたり、ストレッチをして伸ばすべき筋肉であるといえます。
ニーイン・トゥーアウト改善の為のストレッチと筋膜リリース5選
今回はご自身でも行えるようなセルフコンディショニングをご紹介します。
トレーニングも取り入れた方が良いのですが、まずは緊張している筋肉を緩めた上で実生活を送ってみましょう。
筋膜リリースにはグリッドフォームローラーを使用します。
1. 外側広筋の筋膜リリース
硬くなった筋肉に対して行いますので、痛みも伴うかもしれません。ゆっくり丁寧にやってみましょう。

①うつ伏せで肘を立て、フォームローラーの上に施術する方の片脚を乗せます。
つま先を内側に回すように股関節を45度内旋させ、外側広筋の膝付近が当たるようにセットします。
もう片方の脚は股関節90度、膝関節90度で横に開き、お腹に力を入れるように身体を真っすぐに保ちます。

②身体を前後に動かしながら5cm程ストロークします。
ゆっくり深呼吸しながら行います。

③ストロークしたら45度程度で良いので、膝の曲げ伸ばしを行います。
これも5回程行いましょう。
膝付近を中心に行いたいですが、出来れば股関節付近の外側広筋も行いましょう。
2. 腸脛靭帯の筋膜リリース

①床に横向きになり下の脚を伸ばし、上の脚は膝を立てます。
肩の真下に肘がくるように肘を立て、下の脚の腸脛靱帯に当たるようにフォームローラーを置きます。
上の手は床に着いてバランスを取るようにしましょう。

②身体を動かして5cm程度ストロークします。5回程行います。
腸脛靭帯は痛みが伴いやすいので、ゆっくり行いましょう。
また、靭帯は緩め過ぎに注意したいので、頻度は多くても週2回くらいに留めるようにしてください。
3. 大腿二頭筋の筋膜リリース

①大腿二頭筋の硬いところは膝付近になりますので、施術する脚のその辺りにフォームローラーを当てます。
膝が外側を向いている状態です。

②施術する脚とは反対側の手で真上から圧をかけ、お尻を上げます。

③圧をかけたまま4〜5回ほどストロークします。

④ストロークしたら2回ほど左右にスライドさせます。
リリースするときは膝が曲がった状態でも良いので、外側にある大腿二頭筋の深くまで圧がかかるようにやってみてください。
関連記事: >>ハムストリングの筋膜リリースを詳しく見る
4. 外側広筋のストレッチ
外側広筋のストレッチを紹介しますが、その前に一般的な大腿四頭筋のストレッチを覚えましょう。
伸ばす方の膝を曲げ、太ももを伸ばします。
壁に手を着いてバランスを取りながらやりましょう。

腰が反らないようにお腹に力を入れながら行うとより伸び感を感じられます。
ダメなパターンとして、腰が反ってしまうと以下のようになります。

腰が反らないようにお腹に力を入れましょう。

で、この大腿四頭筋のストレッチを少し変えたのが外側広筋のストレッチです。

足の上げる位置を、少し反対のお尻の方に持っていきます。
反対の手で持つとやりやすいですが、膝が外側に逃げないように注意して行いましょう。
こちらが外側広筋のストレッチの形です。

このように膝が外側に逃げてしまうのは上手くできていない失敗例です。
伸ばした状態で20秒ほどキープしましょう。
5. 大腿二頭筋のストレッチ
では最後に太ももの裏側であるハムストリングの外側の筋肉の「大腿二頭筋」のストレッチです。
イメージは一般的な前屈のストレッチなのですが、ちょっとしたコツを加えると大腿二頭筋がよく伸びるのでやってみましょう。

まずは一般的な片脚だけ伸ばす普通の前屈です。

両足一緒に伸ばすよりは伸び感が出やすいので、前屈が硬い人は日々やることをおすすめします。
膝が曲がらないように注意しましょう。
では大腿二頭筋のストレッチですが、つま先を股関節から外側に開いて前屈のストレッチをやってみましょう。
このようにつま先を外側に倒します。


太ももの裏側の外側に筋肉に伸びる感覚があればうまくできています。
こちらも20秒程度行いましょう。
あとがき
硬く縮まった筋肉はストレッチを行い、弱い筋肉はトレーニングで鍛える必要があります。
今回ご紹介した内容を行い、その後トレーニングをするというのが理想です。
しかし正直なことを言うと、身体の調整は「姿勢や動作の正しい評価」が前提にあるべきです。
残念ながらブログでは私があなたの身体の評価をすることはできません。
ご自身で行う場合は自己責任でやるしかなく、実際のところ感覚でやってみて姿勢が改善するかというと、そこは何とも言えません。
しかし多くの場合、何もしないことが正しいということはあまりありません。
意外と簡単に改善したりもするものです、いつでもお気軽にご相談ください。
コメント
コメント一覧 (2件)
ジム通い10年目53歳主婦です。
膝内側が痛く大好きなレッスンに出られ無くなると悲しいです。とても参考になりました。
今日早速ストレッチやってみます。
是非やってみてください^^