こちらの記事では、自分でできる肩こり解消の為のストレッチや筋トレを11種類ご紹介します。
パーソナルトレーニングのお客様にも肩こりや首こりの方が非常に多いです、特にデスクワーカーの方はかなり多い印象です。
毎日何時間もパソコンに向かって仕事をしていたら、肩こりにもなってしまいますよね。
日常生活から肩こりになる原因を考え、筋膜、筋肉、関節に対しアプローチすることで肩こりはかなり解消することと思います。
肩こりを解消して快適な毎日を過ごしましょう。
肩こりの4つの原因
人それぞれ生活習慣は違いますし、肩こりの種類は様々です。
いくつか原因を挙げますので「自分の肩こりはどれっぽいのか」をまず見定める必要があります。
原因①-血行不良による肩こり
血行不良は言い換えれば単純に運動不足ということが挙げられます。
デスクワークの多い方や、事務仕事をされる方は肩周りの筋肉を全然動かしておらず、血液が循環しにくくなってしまっています。
また、常にパソコンに向かってバリバリ仕事を頑張っていると肩周りが緊張してきて血流が悪くなることもあります。
私も記事を書くことに集中していると肩こり気味になってくることはありますね。
原因②-筋膜の硬化による肩こり
筋膜とは筋肉を覆う膜のことで、筋繊維中にも入り込み、骨にも付着しています。
筋膜は洋服のようなもので、固まると非常に動きにくくなります。
筋膜は筋肉の活動において常に受動的です。なので動かずにいると筋膜は硬くなり、筋肉の伸縮を妨げます。
筋膜は複数のラインで筋肉や骨を繋いでいるため、固まった筋膜は別の部位に干渉し、痛みを送ります。
肩こりがある場合も、患部とは別の場所に原因があることはかなり多いです。
今回のエクササイズでは肩こりの原因になりやすい筋膜に対し筋膜リリースを行います。
筋膜リリースについて詳しい記事はこちらです。
> 筋膜リリースの方法・効果とグリッドフォームローラーの使い方
原因③-肩甲骨の動きの低下による肩こり
肩甲骨は肩の関節を形成する骨の一つであり、肋骨の上を滑るように動きます。
日常生活において、肩甲骨を動かす機会が少なくなれば肩甲骨と繋がる筋肉や筋膜が硬くなり、肩周りの血流も悪くなります。
肩甲骨の動きが低下している場合、とにかく肩甲骨の可動性を上げなければ肩こりが解消することは難しいと考えます。
また、四十肩や五十肩も肩甲骨の動きの低下が非常に大きな要因になります。
原因④-猫背、上位交差症候群による肩こり
いわゆる猫背のことを上位交差症候群と呼びます。
背中が丸まり、肩甲骨が上に上がって止まってしまっている状態ですね。
猫背の姿勢は僧帽筋という首周りの筋肉を常に緊張させ、血行を悪くします。
筋肉が常に緊張してしまうと、これも筋膜が硬くなり、姿勢がそのまま固まりやすくなってしまいます。
機能を失った筋肉は力が入るように調整しなければならず、肩こりの解消までには正しい手順で運動を行う必要があります。
肩こりを解消するまでの手順
肩こりを解消する為に様々な方法が世に溢れています。
しかしどれが自分に合っているかはよくわからないのが実情ですし、手順についてはほとんど触れられません。
なので肩こり解消までの手順も意識してみましょう。
今回のセルフエクササイズは以下の手順で行ないます。
- 筋膜リリース
- ストレッチ
- 筋トレ
肩こり解消の手順①筋膜リリース
まずは筋膜リリースを行います。
筋膜リリースとは筋肉に圧をかけることで、筋肉を覆っている筋膜という組織を緩めます。
筋膜リリースをすることで血行が良くなり、筋肉が本来持つ機能を改善することができます。
筋膜に痛みの原因がある場合ここで痛みはかなりなくなりますし、筋膜の状態を正常にすることでストレッチの効果も格段に上がります。
肩こり解消の手順②ストレッチ(筋肉を伸ばす)
次にストレッチを行ないます。
姿勢が悪くなっている場合、身体には硬い筋肉が存在します。
硬く縮まってしまった筋肉を伸ばすことで、滞っていた血流は良くなり、肩こりを解消することが出来ます。
ここでは硬くなると肩こりになりやすい筋肉に対してストレッチを行ないます。
肩こり解消の手順③筋トレ
筋肉をほぐしたら次は動かします。
筋肉をほぐせば、筋肉の緊張による関節に対する負荷は軽減しますので、負荷のない状態で関節を動かすことで、身体に正しい動きを覚えさせます。
筋肉や関節を正しく動かすことで血流が良くなり、肩こりによる痛みは軽減することができます。
肩こり解消の4種の筋膜リリース
まずはフォームローラーを使って筋膜リリースをし、筋肉を良い状態にしましょう。
フォームローラーの無い方はテニスボールなどで代用してみましょう。
- 深呼吸を必ずしましょう
- ゆっくり転がしましょう
- やり過ぎないようにしましょう
1.前鋸筋の筋膜リリース
肩こりの方は猫背の姿勢であることが多く、脇腹にある前鋸筋などはうまく動かせていないことが多いです。
前鋸筋を機能的にさせることで筋肉に弾力が生まれ、肩甲骨の操作が楽になります。
少し痛いかもしれませんが、ゆっくりと深呼吸をしながらやってみましょう。
①床に横向きになり、胴体側面のみぞおちの高さくらいの位置にフォームローラーをセットし、同側の手のひらを上にして腕を伸ばし、反対側の手でフォームローラーを掴みます。
このとき両膝を軽く曲げましょう。
もし痛すぎる場合は手で頭を支えましょう。
②スタートポジションを中心に掴んでいる手で動かすように3〜4cmほどローリングします。5回程行いましょう。
前鋸筋は肩甲骨の動きを制限してしまい、肩こりの原因になることがあります。
前鋸筋はストレッチが難しく、猫背な姿勢の方は機能していないことが非常に多いです。
2.胸の筋肉の筋膜リリース
前鋸筋をリリースし、肩甲骨の動きを出したら次に胸の筋肉の筋膜リリースをします。
胸の筋肉が硬く縮まると肩が前に出てしまい、肩こりになってしまいます。
特にデスクワーカーは手を常に前方に出しており、胸の筋肉が非常に固まり易いです。
①フォームローラーを鎖骨から脇にかけて身体に対して斜めに当たるように床に置き、その上に乗るようにうつ伏せに寝ます。
施術する側の手を伸ばし、しない側の手は楽にします。
このとき施術しない側の足を曲げて横に開くと胸に圧をかけやすくなります。
②施術する側の手を、雑巾で床を拭くように左右に動かします。
これで既に痛みのある人は多いと思いますが、もし痛くなければ微妙に場所を変えつつやってみて下さい。
5往復程行います。
大胸筋や小胸筋と呼ばれる胸の筋肉は硬くなると肩の位置を前に出し、猫背な姿勢を作ります。
緊張して肩が上がりやすい方や、呼吸が浅いと感じる方は是非効果を感じていただきたいと思います。
もっと詳しく胸の筋膜リリースを知りたい人は「胸の筋膜リリースの記事」をご覧ください。
3.上背部の筋膜リリース
次に上背部の筋膜リリースです。
胸辺りの背骨である胸椎は柔らかいことが非常に重要です。リリースでしっかり緩めておきたい部位ですね。
①大体みぞおちの裏くらいにフォームローラーが当たるように仰向けになります。このとき膝を立て、手はクロスして肩に着くか、頭の後ろにします。
②お尻を浮かせたら最初に当てた辺りを中心に5cm程ストロークします。最低5回行います。
胸椎のリリースは肩甲骨周りの筋肉も同時にリリースします。
もっと詳しく知りたい人は「背中の筋膜リリースの記事」をご覧ください。
4.首の筋膜リリース
首も緩めたいという人も多いと思いますが、基本的には首に原因があることは少ないです。
ですが気持ち良いのでやりたい人はやってみてください、やりすぎには注意しましょう。
①首の下にフォームローラーを置き、仰向けに寝ます。施術する側に首を傾けます。右か左ですね。
②軽く首に圧をかけながら、横に首をズラしてリリースします。1〜2cm程度動かすイメージです。
以上です。非常に簡単ですね。
肩こり解消の3つのストレッチ
筋膜リリースで肩周りの筋膜の状態を良くしたら、硬く縮みがちな筋肉のストレッチを行ないます。
- 10秒〜20秒くらいを目安に伸ばすようにしましょう
- 勢いをつけないようにしましょう
- 深呼吸し、リラックスしましょう
1.大胸筋のストレッチ
猫背の姿勢でいると大胸筋は縮まり、硬くなりやすいです。
大胸筋は身体の中でも大きい筋肉で、3つの繊維に分けて考えられます。
- 上部繊維
- 中部繊維
- 下部繊維
特に猫背の方は下部繊維が硬くなりやすく、日常的にケアを行なわなければ改善は難しいでしょう。
まずは基本の中部繊維からストレッチを行ないましょう。
大胸筋中部繊維のストレッチ
①施術する側の肘を肩の高さまで上げ、90度に曲げ壁の角などの安定した場所に手のひらをつきます。
肘の高さが大事です。
このとき施術する側の脚を前に出します。
②胸を突き出すように体重を前脚にかけ、胸の筋肉を伸ばします。
肩甲骨を寄せるように行なうとより伸びる感覚を感じられます。
大胸筋上部繊維のストレッチ
先ほどの中部繊維のストレッチで肘の位置を変えることで、上部繊維と下部繊維を狙ってストレッチすることができます。
基本的なやり方は同じです。
上部繊維は鎖骨から脇のラインをイメージして行ないます。
上部繊維のストレッチは肘の位置を中部繊維の位置よりも下に下げます。
同じように胸を前に突き出しますが、コツとしては上に伸び上がるように行ないましょう。
大胸筋下部繊維のストレッチ
次に猫背の方が硬くなりやすい大胸筋の下部繊維のストレッチです。
下部繊維はみぞおちから脇のラインをイメージして行ないます。
下部繊維のストレッチは肘の位置を中部繊維の位置よりも上に上げます。
胸を突き出す時は体重を少し下に落とすように行ないましょう。
2.広背筋のストレッチ
次に広背筋のストレッチです。
広背筋が硬くなると手が挙がりにくくなってしまい、肩周りの血流が悪くなりやすいです。
意外にも硬かったという方はかなり多いですね。
①四つん這いになります。肩の真下に手のひら、股関節の下に膝がくるようにしましょう。
②施術する側の手を、もう片方の手の前方に置きます。30cmくらい前に置きましょう。
③お尻を後ろに引き、広背筋を伸ばします。このとき手の位置が変わらないように気をつけましょう。
リラックスしながらお尻をゆっくり引きましょう。
3.僧帽筋のストレッチ
肩こり筋とも呼ばれる僧帽筋のストレッチです。
肩こりの場合緊張して縮こまっていることが多い筋肉ですね。
肩こり筋として有名過ぎて、すごく多くの方が僧帽筋のストレッチだけやってしまっているような気がします。
しかし個人的には肩こりの痛みは他の筋肉や、普段の姿勢に原因があることの方が多いと感じていますので、ストレッチのしすぎには注意しましょう。
①施術する側の手を、反対の手で後ろから掴みます。
②首を施術する側とは反対に傾けて僧帽筋を伸ばします。このとき掴んでいる手で施術する側の肩を下に引き下げ、肩と頭を離すようにします。
僧帽筋は肩こり筋ですので、勢い良く伸ばしたり、長く伸ばしすぎると逆にコリの原因にもなってしまいますので気をつけて行ないましょう。
肩こり解消の為の4つの筋トレ
ここからは筋トレで関節を動かしましょう。
筋膜リリースやストレッチでも血流は良くなりますが、やはり体を動かすことが1番大切です。
紹介するのは肩周りの筋トレだけですが、今回の内容にプラスしてウォーキングやランニングといった運動で全身の血流を良くするのも重要です。
1.前習えの筋トレ
肩甲骨を前後に動かす体操です。
主に動かす筋肉は以下の筋肉です。
①前習えの姿勢のように、手を前に挙げます。
②手を前に伸ばしながら、背中を丸めます。感覚としては背中は後ろに丸めます。
③今度は反対に胸を張るように肩甲骨を寄せます。このとき肩が上がらないように気をつけましょう。
②と③を往復して10回くらい繰り返しましょう。
肘が曲がりやすいので、注意して行いましょう。
2.肩甲骨を下げる筋トレ
肩こりの場合肩甲骨は上に上がり、背中は丸まっていることが非常に多いです。
ここでは肩甲骨を下げる動きを身体に覚えさせましょう。
①両手を身体の後ろで組みます。
②胸を張り、組んでいる手を下に下げます。このとき腰が反りやすいので、お腹をへこませながら行ないましょう。
5秒くらい姿勢をキープしたら戻し、5回程繰り返します。
簡単ですね、人によっては骨がボキボキ鳴るかもしれません…笑
3.ウィンギング
次にウィンギングという肩甲骨を動かす種目です。
①バンザイの姿勢で手の平を外側に向けます。
②肘を90度に曲げ肩の高さまで下げます。このとき、肩甲骨を寄せます。
後ろから見るとこう。
③両手の甲と両肘同士がくっ付くように、腕を前方に出します。このとき肘の高さが下がらないように注意しましょう。
④手を開き、②と同じポジションに戻ります。
⑤バンザイし、スタートのポジションに戻ります。
姿勢が他の種目よりも難しいので、初めは鏡で姿勢を確認しながら行ないましょう。
肘が下がってしまったり、イメージと動きが合致していないことは多いです。
①から⑤を10回くらい繰り返してみてください。ちょっと疲労感があるくらいがちょうど良いですね。
ここまでで肩甲骨の動きはかなり出てくるはずです。
4.僧帽筋のトレーニング
最後に肩甲骨を挙げる動きです。僧帽筋のトレーニングの動きでもあります。
僧帽筋を動かして、血流を良くしましょう。
①脇を締めて立ちます。
②そのまま肩を挙げます。
以上です。これは簡単過ぎますね。
このように脇が開かないように気をつけましょう。
ちなみにやり過ぎると逆に肩がこりますからほどほどにしましょう!
あとがき
身体の痛みには必ず原因があります。
まずはご自身の生活スタイルや姿勢に注目し、何が原因かを知ることが大切です。
安静にしていることがいつも正しいわけではありませんし、肩こりのほとんどは運動不足です。
もし病院やマッサージに通っているがなかなか治らないという人は、もしかすると筋トレをしたら改善するかもしれません。
もちろん不安な人はサポートしますので、一度ご相談いただければ幸いです。
楽しく健康に、痛みの出ない体づくりを始めましょう。
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