肩こり、ツラいですよね。毎日何時間もパソコンに向かっていると、首から肩が重だるくなることもあると思います。
肩をもんで楽になることもありますが、それだけではすぐに戻ってしまう、という人もいるのではないでしょうか。
こちらの記事では、普段の過ごし方を見直すポイントと、ご自身でできるエクササイズをご紹介します。肩をゆるめる、動かす、支えるという流れを参考に、取り組みやすいものから試してみてください。
肩こりの原因は一つとは限りません

肩こりには、長時間同じ姿勢でいること、運動不足、精神的なストレス、寒さなど、いろいろな要因が関わります。首や肩の病気によって似た症状が出る場合もあります。
「猫背だから」「この筋肉が弱いから」と見た目だけで決めつけることはできません。まずは日常の負担、肩甲骨の動き、背骨の動きという三つの面から、見直せるところを探してみましょう。
1. 同じ姿勢や作業が長く続いていないか
例えば、ノートパソコンをのぞき込む、肘を浮かせたままスマホを操作する、寒くて肩をすくめる。こうした状態が長く続いていないでしょうか。
ずっと胸を張って姿勢を正すことより、時々姿勢を変える方が取り入れやすいですね。作業の区切りに腕を下ろす、立って少し歩くなど、同じ負担が続かない工夫をしてみてください。
2. 肩や肩甲骨を動かす機会があるか

肩甲骨は腕を動かすときに一緒に動く骨です。デスクワーク中は手を体の前に置くことが多く、腕を大きく上げたり、後ろに引いたりする機会は少なくなりがちです。
こっている場所を押すだけでなく、肩や肩甲骨も無理のない範囲で動かしてみてください。ただし、動きが硬いから必ず肩こりになるわけでも、体が柔らかければ筋トレだけでよいわけでもありません。
3. 背骨も一緒に動かせるか
肩だけを動かそうとして、腰を強く反らしたり、息を止めたりしていないかも見てみましょう。背中を丸める、胸を軽く開くといった動きを、小さい範囲から試してみるとよいですね。
ここで確認するのは、原因を自分で診断するためではなく、楽に動かせる方法を探すためのポイントです。
運動より先に医療機関へ相談したい場合
腕や手のしびれ、力の入りにくさ、けがの後の強い痛み、安静にしていても続く痛みがあるときは、整形外科などで相談してください。痛みで腕が上がらない場合も、無理に伸ばさないでおきましょう。
筋膜リリースやストレッチだけでいい?
肩を軽くもむ、温める、気持ちのよい範囲で伸ばす。こうしたケアで楽になるなら、取り入れてもらって構いません。筋膜リリースも選択肢の一つですが、必ず先に行わなければいけないものではありません。
ただ、強い刺激で筋膜をはがそうとする必要はありません。首の前や横をボールで押したり、痛い場所に体重をかけたりする方法は避けてください。
楽になった後は、肩甲骨や背骨を動かすこと、軽い負荷で体を支えることも組み合わせます。「ゆるめる→動かす→支える」は、そのための組み立て方です。決まった順番ですべて行う必要はありません。
自分でできる肩こりのエクササイズ
ここでは四つに絞って紹介します。まずは一つか二つで十分です。回数は動きに慣れるための目安なので、きつければ減らしてもらって構いません。鋭い痛みやしびれが出る動きは中止してください。
1. 肩の力を抜き、首をゆっくり動かす
- キャスターのない安定した椅子に座り、両足を床につけます。両手は太ももに置き、肩の力を抜きます。
- 顔をゆっくり右へ向け、無理なく動くところで止めます。肩や体まで一緒にひねらず、手で頭を引っ張らないでください。
- そのまま数秒呼吸を続け、ゆっくり正面へ戻します。左側も同じように行い、左右それぞれ2〜3回試します。
大きく動かすことより、力まずに呼吸できる範囲を優先してください。首が詰まる感じや痛みがあれば、その動きは省いて構いません。
2. キャット&ドッグで背骨を動かす
- 四つ這いになり、手を肩の下、膝を股関節の下に置きます。
- 息を吐きながら床を軽く押し、背中をゆっくり丸めます。
- 息を吸いながら元の位置へ戻し、余裕があれば胸を少し前に向けます。首を大きく反らす必要はありません。
- 小さい動きで3〜5回繰り返します。
手首や膝がつらければ、椅子に座って手を太ももに置き、背中を丸めて戻す方法に変えてもらって構いません。肩だけで頑張らず、背骨も一緒に動かすイメージですね。
3. シーテッドWで肩甲骨と腕を動かす
- 椅子に座り、両足を床につけます。肘を曲げ、両手を肩の横へ持っていき、正面から見て腕がWに近い形になるようにします。
- 腰を反らしすぎないようにしながら、肘を軽く後ろへ引き、肩甲骨を少し寄せます。
- 力を抜いて戻し、3〜5回繰り返します。腕を高く上げにくければ、肘の位置を下げてください。
肩甲骨を強く挟み込む必要はありません。首をすくめずに動かせる範囲を探してみてください。
4. 壁プッシュで肩甲骨周りを使う
- 壁に向かって立ち、両手を肩の高さにつきます。足は壁から少し離し、軽く体重を手に預けます。
- 肘を大きく曲げ伸ばしせず、肩甲骨をゆっくり寄せるように胸を少し壁へ近づけます。
- 次に壁を軽く押し、肩甲骨を左右に広げるように体を戻します。腰を反らさず、3〜5回繰り返します。
いわゆる腕立て伏せとは違い、肩甲骨を動かす意識がポイントです。力みやすい場合は壁に近づき、手にかかる体重を減らしてください。
仕事の合間に続けるなら
例えば、作業の区切りに立って少し歩き、椅子へ戻ったらシーテッドWを3回やる。帰宅後に余裕があればキャット&ドッグを加える。そんな組み合わせで構いません。
終わった直後に軽く感じるかだけでなく、その後や翌日に痛みが増えていないかも確認してください。毎回強く効かせることより、日常の中で無理なく動く機会を作ることを大切にしてみましょう。
あとがき
肩こりが気になると、つい肩や首ばかりをもみたくなりますが、普段の作業や体の動かし方にも目を向けてみてください。
ゆるめて楽になる方法があれば使い、その後に動かすこと、支えることも少しずつ加える。全部を一度にやろうとせず、「これなら続けられそう」と思えるものから始めてもらえればと思います。
参考資料
- 日本整形外科学会 「肩こり」:原因、診断、予防・治療について。
- NHS Sitting exercises:椅子に座って行う首や上半身の軽い運動。




