近年普及が強まったTRXですが、「良さそうなんだけど正直使い方がよくわからない」という声をよく聞きます。
TRXは2本のストラップが垂れ下がってるだけですから、確かにそうなんですよね。
そこでこちらの記事では、
- TRXの概要と基本的な使い方
- TRXのトレーニング種目
について紹介します。
TRXを使いこなして動けるカッコイイ身体を目指しましょう!
TRXサスペンショントレーニングとは?
一般的に呼ばれているTRXとは会社名で、TRXサスペンショントレーナーのことをTRXと呼ぶ人が多い印象です。
TRX社には他のツールもたくさんあるので興味があればチェックしてみてください。
TRXサスペンショントレーナーについて、公式サイトより引用させていただきます。
TRXサスペンショントレーナーは、独自に開発されたクラス最高のワークアウトシステムです。重力と自重を活用し、数百種類のエクササイズを行うことができます。 どのくらいハードなエクササイズにチャレンジするかは自由にコントロール可能。体の位置を変えるだけで、簡単に負荷を重くしたり、あるいは軽くしたりできます。
引用:TRXサスペンショントレーニング|TRX®JAPAN 公式ウェブサイト
TRXを使えば多くの目的を達成することができますし、プロアスリートから高齢者まで強度設定をすることができます。
たくさんの要素を同時に鍛えるられるからこそ、身体を自由に動かせるようになり、シェイプアップにも効果があります。
サスペンショントレーニングの定義
TRX社はサスペンショントレーニングについて以下のように定義しています。
手または足の一部がサスペンショントレーナーに接し、それと反対側の手、足など身体の一部が床と接した状態で行うトレーニング
つまり手足のどこかが必ず床に着いている状態ということです。
後述しますがこのような状況下で行うことで非常に多くのトレーニング種目を強度を変えながら行うことができます。
TRXトレーニングの5つの効果
TRXサスペンショントレーニングでは体を支えたり、バランスを取りながら行う種目が非常に多くあります。
体幹部に刺激が入りやすく全身を常に使うことができるということです。
全身を使うトレーニングはダイエットにも向いています。
TRXサスペンショントレーニングでは重りを使わずに自身の体重を使います。
トレーニングによって自分の体重をコントロールできるようになることで、筋力だけでなく持久力やバランスを向上させることができます。
TRXサスペンショントレーニングは強度の変換が非常に容易です。
ウェイトトレーニングなら重りの交換をしなければなりませんが、TRXなら身体の傾き具合や身体の位置を変えることで強度を変えることが可能です。
高齢者もプロアスリートも、同じ種目でトレーニングすることができます。
TRXサスペンショントレーナーはどこにでも持っていけるほどコンパクトです。
後述しますがドアアンカーという部品を使えば出張先のホテルでもトレーニングすることができます。
公園や体育館など、どこでも多くのトレーニングを行うことができます。
TRXサスペンショントレーニングは強度を容易に変えられますので、運動の苦手な方でも動作の習得が非常に早いです。
腕立て伏せができなくても、TRXチェストプレスは全く同じ動作です。
動作を早めに覚えて、徐々に強度を上げていくということが可能です。
TRXの使い方と各部位の名称、長さの種類と調整方法
こちらのパートでは
- TRXの各部位の名称
- TRXの長さの調整方法
について紹介します。
TRX各部位の名称
TRXサスペンショントレーナーは各部位に名称がついており、覚えておくと良いです。
メインで使用する部位だけ紹介します。
アンカーポイント
アンカーポイントはTRXの結び目です。
TRXのトレーニングでは、身体の向きなどアンカーポイントを基準点にします。
中間点マーク
2本の刺繍マークはTRXの中間点であることを表します。
長さをミッドレングスに調節するとき、この中間点マークに合わせます。
調節タブ
TRXの長さを短くするときのみ、調節タブを使います。
バレルロック
TRXの長さを調節するとき、必ずバレルロックを使います。
昔のTRXではカムバックルと言う金具でしたが、随分やり易くなりました。
ハンドルとフットクレイドル
ハンドルは棒の部分で、手で握ってトレーニングを行うときに使います。
フットクレイドルはつま先やカカトを入れてトレーニングを行うときに使います。
種目によっては、フットクレイドルに手を入れることもあります。
TRXの長さの種類と調節方法
TRXトレーニングは主に4種類の長さで行います。
長さの種類
ミッドカーフはTRX Hamstring CurlやTRX Side Plank など、主に寝る姿勢でトレーニングをする際に使います。
カーフとはふくらはぎを表す言葉なので、ふくらはぎの中央にフットクレイドルの先端を合わせます。
長さの調整方法
紹介したようにTRXは長さを調整してトレーニングを行います。
このようにバレルロックを親指で手前に引くと簡単に操作できます。
TRXトレーニングを行う上での6つの注意点
TRXトレーニングを行う上での注意点を紹介します。大切なことなので覚えましょう。
TRXのトレーニングでは適切なスタートポジションが定められています。
全ての準備を確実に行うことで大きな効果を得られます。
TRXサスペンショントレーナーはストラップが固定されていないため、均等に負荷が掛かっていない場合ハンドルがスライドしてしまいます。
慌てず慎重に、均等に負荷をかけながらトレーニングを行いましょう。
ストラップがたるんでいてはTRXを使用する上での効果が薄まってしまいます。
ストラップがたるまないように注意して行いましょう。
TRXトレーニングで一番多いエラーは体幹部が緩んでしまっていることです。
お腹を引き締めて、心も身体も緩ませないように行いましょう。
TRXチェストプレスなどで、上腕部とストラップがこすれてしまっている人が多いです。
力の方向が変わってしまいますので、気を付けましょう。
TRXトレーニングは簡単に強度を変えることが出来ます。
キツいからやめるのではなく、キツくなっても強度を弱めて続ける強さを身につけましょう!
種類別|TRXのトレーニングメニュー
主な種目を紹介します。TRXの種目は300種以上あるともいわれており、掲載しているものも全てではありません。
また当記事では便宜上、プレス・ロウイング・肩周り・体幹部・下で分類していますが、部位別で鍛えるというイメージを持たずに、ご自身の目的に合わせて種目を選択することをお勧めします。
種目によっては別途記事を書いていますので、TRXのカテゴリーページからご確認ください。
プレス系種目
TRXを使った腕立て伏せの種目です。
TRXは不安定なツールでもありますので、肩関節の安定性も向上します。
TRX Chest Pressで上げた脚を横に開くと中心の軸がさらにブレるので、体幹部への刺激が強くなります。詳しく見る >
片手でやることで回旋の負荷がかかりますので、体が傾かないように体幹部にしっかり力を入れながらやりましょう。
片手の腕立て伏せに繋がる種目です。
主に大胸筋が使われ、可動域によってはストレッチポジションまで大胸筋を広げてトレーニングすることもできます。
TRX Chest Flyは肩関節のみが動く単関節運動なので、チェストプレスと合わせて行うことで大胸筋の追い込み種目にもなります。
片側はチェストプレス、反対はチェストフライというコンビネーション種目です。
左右非対称の負荷をかけることで、より実用的な動作を身につけることができます。
体重を利用して上腕三頭筋を強化しますので、なかなかキツめです。
肘の位置を安定させてやりましょう。
片足を横に曲げて左右非対称の負荷で行うプッシュアップです。
フットクレイドルに入れてる脚は膝を曲げないように力を入れましょう。
プッシュアップとクランチを連続して行う種目です。
動画はゆっくりですが、慣れてきたらよりスムーズにしたり、瞬発的にトップまで上げたりやってみましょう。
体重を利用したインクラインプレスです。
もちろん危ないので、慣れるまでは片足を床についてやりましょう。
ロウイング系種目
もっともオーソドックスなTRXの背中のトレーニング種目です。
まずはここからやりましょう。
ローロウに比べて、脇を45度開いて行います。
チェストプレスと大体逆の動作になりますので、セットで行うと関節への負担が偏らずにすみますね。
脇を90度に開くロウイング種目です。
肩の後部や菱形筋が主働筋になります。
捻りながら引く動作の種目です。
体幹部が崩れないようにしっかり捻って行いましょう。
体重を利用してアームカールをするので負荷は高めです。
肘をアンカーポイントに向けるように曲げていきましょう。
つま先からの運動連鎖で体をひねるので、背中だけでなく脚や体幹部など全身を鍛えることができます。
肩甲骨の位置を安定させることがポイントになりますので、是非気をつけて行いましょう。
体幹部に対し左右非対称の負荷がかかりますので、通常のローロウよりも難しいです。
トレーニングは非対称なものこそ重要で、そういった部分を考えることが大切です。
肩周りの種目
Yの字になるように腕を上げる種目です。
肘が曲がらないように注意しましょう。
肩関節の安定性を向上させるのにおすすめな種目です。
手を遠くに伸ばすようにやってみましょう。
また、バンザイの姿勢で肩が痛いという場合は無理をせず、角度を浅くしてください。
まっすぐバンザイするように腕をあげます。
肘が曲がったり、腰を反るような動作になりやすいので注意してください。
腕がWの文字になるように手を引き寄せる種目です。
肩甲骨周りを意識して胸を張りましょう。
主に肩から広背筋が主動筋となる種目です。
強度が高いので片足を後ろに引いて少し強度を下げてみましょう。
Iデルトイドフライとローデルトイドフライの複合種目です。
体幹部がブレないように気をつけましょう。
体がTの文字になるように、肩甲骨あたりから力を入れて行いましょう。
難しい場合は片足を後ろに引いてやってください。
肩関節を外に回す外旋という動作をメインにした種目です。
拳を後ろに回していきましょう。
体幹部メインの種目
脇腹の筋トレはダンベルのサイドベントなどが有名ですが、TRXでは簡単にできます。
TRX Hip Dropならかなりストレッチポジションまで持って行けますので、体幹周りの引き締めにもお勧めです。
体幹部の捻りの負荷の種目です。
難しい場合は肘を90度くらいに曲げて、肘を体にくっつけてやってみましょう。
いわゆるプランクですが、体の開始位置を変えることで強度を変えることが可能です。
いわゆるサイドプランクですね、余裕があれば手のひらで行いましょう。
サイドプランクから膝を伸ばしまま身体をくの字に折り曲げる種目です。
かなり強度は高いですが、パフォーマンスを上げたいならこれを続けて10回くらいはやりたいですね。
背中を丸めながらお尻を持ち上げ、腹筋を潰すような意識で行いましょう。
クランチの動作で膝を伸ばして行うため、太ももの前側の刺激が強くなります。
前屈が硬い人は難しいので、ハムストリングを緩めてから行いましょう。
全身運動として有名なマウンテンクライマーのTRXバージョンです。
ストラップを均等に上から抑えて、体幹部への刺激を増やしましょう。
プランクの姿勢から足先の方に身体を動かします。
意外と広背筋への刺激が大きいので、腹筋と広背筋の繋がりを意識しましょう。
下半身の種目
TRXを補助として使うスクワットです。
TRXを補助にすることで、普通のスクワットが正しい姿勢で出来ない人でも正しいフォームで行うことが出来ます。
脚はここから始めましょう。
TRX Hamstring Curlなら太ももの裏側をしっかり鍛えることが出来ます。
また、フットクレイドルにカカトを入れる数少ない種目でもあります。
冷え症やむくみの改善にも効果がありますので是非やってみましょう!
片方ずつ引くとストラップがズレやすいですが、そこをズレないように均等に負荷をかけるのがハムストリングランナーの大切なところです。
慣れてきたら床から腕を離してやってみましょう。
立つポジションは「ちょっとTRXに足が引っ張られてるのを感じるくらい」です。
膝が内側に入らないように気をつけましょう。
片足ジャンプの種目です。
年を取ると片足で飛べなくなっているものです、がんばりましょう。
補助付きのスプリットスクワットです。
補助としてTRXを使う場合は、余裕があればTRXなしでやりましょう。
つま先をアンカーポイントの方に向け、しゃがむときに膝が内側に入らないように注意しましょう。
飛ぶ時にTRXを下に抑えることで、全身の連動を出すことができます。
トレーニングの追い込みに20〜30秒のインターバルトレーニングを入れてみてはいかがでしょう。
体の背面のコアを活性化させながらスクワットを行います。
肩の方がキツイという人が多いかもしれません。
内転筋群を刺激しながら行うスクワットです。
股関節の可動性向上に貢献しますので、ウォーミングアップにおすすめです。
TRXサスペンショントレーニングの特徴
TRXトレーニングはウェイトトレーニングと違い、重力や体重を負荷とします。
常に体幹部に力を入れ、常に身体のどこかが床と接しています。
押す動作も引く動作も全身で行うということが感じられやすく、それは日常生活に活きてきます。
TRXはウェイトを変更するような面倒な手順はなく、身体のポジションや向きを変更するだけで簡単に強度が変えられ、さらに動作を目的としたトレーニングが非常にやり易いです。
例えば腕立て伏せという動作を習得したい場合ウェイトトレーニングだと、マシンのチェストプレス→ベンチプレス→ダンベルプレスのように種目を順に変えつつ、プランクといった体幹部の感覚を掴むトレーニングも別で行う必要があります。
しかしTRXのチェストプレスなら、始めは直立立ちに近い簡単なポジションで動作に慣れ、徐々に足の位置を後ろに下げて強度を上げていくだけです。
アンカーポイントの真下で出来るようになる頃には、床で行う腕立て伏せは簡単になっているでしょう。
このようにTRXにはウェイトトレーニングにはない魅力や利点があります。
TRXを自宅で行う際の設置方法
TRXを自宅で行う方法をご紹介します。
自宅にはTRXを設置出来るようなバーはなかなか無いと思いますが、自宅でもTRX取り付けることは可能です。
方法は2つあります。
1.ドアアンカーを使う
TRXはセットによっては、ドアアンカーという付属品が付いています。
ドアアンカーはドアの上部に設置し、ドアを閉めてトレーニングを行います。
設置がしやすくのが利点ですが、日本の住宅では高さが足りずあまり実用的ではありません。
大きて頑丈なドアのある家庭なら良いでしょう。
2.Xマウントを使う
Xマウントは壁や天井に取り付ける器具です。
梁の位置に気を配らなければなりませんが、しっかり取り付ければ強度は安心できます。
写真は以前私がXマウントを自宅で取り付けていた時のものです。
TRXを購入するには
TRXには似たような製品が多くありますので、なるべく正規品を購入されることをお勧めします。
Amazonの正規品のページを紹介しておきます。
ご自宅でも公園でも出張先でも、上記のTRXの動画でフォームを確認しながらトレーニングを行なっていただければと思います!
あとがき
TRXのトレーニングは従来からある筋トレツールとは一味違うトレーニングツールです。
限られたスペースで、一つの道具で全身のトレーニングができるというのが本当に素晴らしいですよね。
種目は多く覚えるのは大変だとは思いますが、覚えてしまえば低コストでトレーニングを続けることができます。
一つひとつ丁寧に習得し、自由な身体を手に入れましょう!
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