今回は矢状面・前額面・水平面についてお話しします。
日常生活は関節に対しあらゆる方向からの負荷を受けており、トレーニングを行う上でそういった部分を無視することはできません。
長くトレーニングをされている方でもここについて考えているという人は少ないです。
今回紹介する3つの面を意識してトレーニングすることで、身体を3Dに使えるようになり、より自由な動作を獲得出来ます。
特に難しくありませんので実践してみましょう。
矢状面、前額面、水平面
歩いたり、方向を変えたり、テニスをしてみたり、人間はいろんな方向に動くことが出来ます。
そしていろんな方向からの負荷を受けます。
そのいわゆる3Dな動きをそれぞれ別の面に分けて捉えたのが矢状面・前額面・水平面の3つの面です。
こちらです。
人間の動きは3Dなので、当然トレーニングもそれぞれの面に対して行う必要があると考えています。
矢状面
矢状面というのは人の前後の方向の動きを表す面です。
トレーニングの種目でいうとウォーキングやランニング、スクワットやアームカールはこれにあたります。
1番多い動きの面ですね。
前額面
前額面は人の横方向の動きを表します。
トレーニング種目だとサイドプランクやラットプルダウン、アダクションやアブダクションがこれにあたりますね。
スポーツでいえばスピードスケートの選手や、バスケ・サッカー・テニスなんかはこの動きが弱ければかなり苦しいでしょう。
意外と野球のピッチャーの投球動作も前額面の部分が多いです。
水平面
水平面はひねりの動きを表します。ローテーションですね。
主なスポーツだとイメージしやすいのはゴルフや野球のバッター、ボクシングなどでしょうか。
回旋動作は非常に重要で、スポーツやってるのに回旋系のトレーニングを意識しない人はケガが多かったりします。
気を付けましょう。
6つの基本動作と3つの面でプランニング
ではここからは実際に、6つの基本動作と3つの面の要素でトレーニングのプランニングの例を紹介します。
- ステップ(歩く)
- ランジ(大きく踏み出す)
- スクワット(しゃがむ、立ち上がる)
- プッシュ(押す)
- プル(引く)
- ローテーション(ひねる)
まずトレーニング種目を分類できるようになる必要があります。
簡単ですが、以下のメニューで考えてみましょう。
- ベンチプレス
- ラットプルダウン
- スクワット
という訳でこれらの種目を動作と面で分けてみます。
- ベンチプレス(胸)
水平面のプッシュ - ラットプルダウン(背中)
前額面のプル - スクワット(脚)
矢状面のスクワット
という感じです。
こうしてみると全身の大筋群に負荷を加えているものの、3種目では基本動作の要素がすごく少ないことがわかり、もっといろんな種目を入れる必要があります。
一定方向の種目だけでは動作に偏りが出て、姿勢や関節に悪い影響が出るからですね。
では、上記のメニューに種目加えるとして何が良いでしょうか。
ベンチプレスは水平面のプッシュなので、水平面のプルを入れられれば関節に対しバランス良くエクササイズを行えます。
例えばベントオーバーロウイングや、ケーブルロウをワイドグリップでやるようなイメージです。
ラットプルダウンは前額面のプルなので、拮抗動作である前額面のショルダープレスを入れればバランスが良いですね。
しかしそれでもまだステップ・ランジ・ローテーションの動作が無いので、前額面のサイドランジやローテーション種目であるロータリートルソーを入れるのも良いと思います。
今挙げた種目を加えると、
- ベンチプレス 水平面のプッシュ
- ラットプルダウン 前額面のプル
- スクワット 矢状面のスクワット
- ベントロウ 水平面のプル
- ショルダープレス 前額面のプッシュ
- サイドランジ 前額面のランジ
- ロータリートルソー 水平面のローテーション
これで一日のワークアウトは最初のものよりもバランス良くなりましたね。
でもまだステップがないので、筋トレ後に有酸素運動と絡めてウォーキングを行うのも良いでしょう。
トレーニングはこのように種目のプランニングをします。
ベースとして覚えるだけでもいいですし、こういうプログラムの作り方もあるということです。
特にフィットネスクラブにあるマシンくらいしか使わないような人は是非取り入れてみてください。
でもこれはまだコアの要素や、種目の強度を考慮に入れてません。
筋持久力なのか、筋肥大なのか、シェイプアップなのか、といった目的の部分も考慮していないので全然完璧ではありません。
トレーニングは専門知識の多い分野ですので、いろいろ考えながらやれると良いですね。
あとがき
我々は3Dな世の中に生まれたので、同じ方向ばかり鍛えても動作は向上しませんし、下手をすれば身体を痛めることも多いです。
筋肉だけに焦点を当てていると種目をカテゴライズしにくく、チンニングはやるけどロウイングはやらないといったことになりやすいです。
いろんな動作を取り入れてトレーニングできるするようにしましょう。
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