スポーツや趣味をする中で「スタミナをもっとつけたい、もっと長く活動できるようになりたい」といった場合に、必要となる要素の一つが筋持久力です。
有酸素運動も筋トレもしているのになかなかスタミナがつかないというような悩みをお持ちの場合は、もしかすると筋持久力が不足しているかもしれません。
筆者がこれまでにトレーニング指導を行う中で、筋持久力の必要性について感じるシーンは何度もありました。
筋持久力をつけることで解決する問題は、一般的に知られている以上に多くあると考えています。
こちらの記事では筋持久力についての解説と、トレーニング方法を紹介させていただきます。
筋持久力の概要
筋持久力(きんじきゅうりょく)とはそれぞれの筋肉が持つ持久力のことです。
どれくらいの負荷で15〜30回程度の運動を繰り返し行えるかといった、低負荷・高回数トレーニングによって鍛えることができます。
一般的にはいわゆるスタミナや持久力といった表現がされる力のことです。
筋持久力と全身持久力の違い
持久力というとランニングで得られるような持久力のイメージがあるかもしれませんが、それらは全身持久力として位置づけられており、筋持久力とは明確に違います。
持久力は筋持久力と全身持久力に分けられます。
- 全身持久力
長時間活動するためのベースとなる心肺機能の力 - 筋持久力
筋肉を長時間高回数使えるようにする、疲れにくくする力
筋持久力をつけるには筋持久力トレーニングをやらなければならず、ランニングでは鍛えることができません。
混同して考えないようにしましょう。
筋持久力を鍛えるメリット
筋持久力を鍛えることで、以下のようなメリットがあります。
- 長時間、筋肉を使えるようになる。
- 疲れにくくなる
- スポーツパフォーマンス向上のための下準備となる
- 疲労回復が早くなる
- 脂肪燃焼しやすくなる
一般的な人の健康において必要なのは筋持久力
日常生活を送る中でなるべく疲れたくはありませんよね。
遊びに出かけたり、子どもと遊んだり、買い物にいくと疲れますが、そういうときに疲れにくくなるように力を発揮するのが筋持久力です。
「筋肉をたくさんつけたいわけではない、でも筋トレはした方がいいような気がしている、そしてできれば痩せたい」といったごく一般的な感覚の人こそ、筋持久力トレーニングの導入をお勧めします。
やることはいわゆる筋トレとあまり変わりませんが、筋持久力トレーニングを続けて健康的な体を作りましょう。
筋持久力と筋肥大の関係
ボディメイクをしている人で、
- 「最近あまり重量を上げられない」
- 「ちゃんと筋肥大しているかよく分からない」
などと感じている人は、もしかすると筋持久力が落ちてしまっているのが原因かもしれません。
実は筋持久力は筋肥大とも関わりがあります。
強度 | Reps(回数) | セット数 | 休憩 | |
1.神経促通 | <50% | 25~15 | 1~2 | 30秒 |
2.筋持久力 | 60~70% | 20~12 | 2~3 | 30~45秒 |
3.筋肥大 | 70~80% | 12~8 | 3~6 | 60~90秒 |
4.筋力 | 80~90% | 8~4 | 2~6 | 2~4分 |
5.パワー | 85~100% | 5~1 | 3~5 | 2~5分 |
上の筋系トレーニングの表のように、筋肥大トレーニングは段階としては筋持久力トレーニングの次の段階です。
本来はまともな筋持久力を持って筋肥大の段階に進むのが順当な流れですので、もし現状で20rep程度の高回数のセットを組んでいないのであれば入れてみましょう。
最終セットを高回数にするくらいがやりやすいかもしれませんね。
筋持久力の評価方法
筋持久力の評価は主に腕立て伏せや空気イスといった種目で行われます。
腕立て伏せでの筋持久力測定
腕立て伏せは大胸筋・上腕三頭筋・三角筋・前鋸筋・腹筋・大腿四頭筋など、多くの筋肉を使用するエクササイズで、測定に適しています。
テニスボールくらいの大きさのボールを用意しましょう。
- 腕立て伏せのスタートポジションになり、胸の真下にボールを置きます。
- 腕立て伏せの動作のボトムポジションで、胸でボールに触れて、スタートポジションに戻ります。
- フォームが崩れるまでこれを可能な限り繰り返すか、または60秒間でできるだけ多く行います。
- 正しいフォームで出来た腕立て伏せの回数を記録します。
まともな腕立て伏せができない場合は、膝をついて同様に行うようにしましょう。
空気イス(静的スクワット)の筋持久力測定
壁を使った空気イスは太ももやお尻の筋肉を多く使うため、下半身の筋持久力テストに向いています。
- 足幅を股関節幅くらいに開き、壁を背にして立ちます。
- 壁にもたれ掛かる形で、膝と股関節が90度になるように滑り落ちながらしゃがみます。
- 片足を5cm程度持ち上げ、その姿勢をキープします。
- フォームが崩れずにキープできる時間を測定します。
男性は100秒、女性は60秒をキープすることができれば優秀とされています。
姿勢を良くし、フォームが崩れないようにやりましょう。
筋持久力トレーニングのやり方
筋持久力は主にウェイトトレーニングで向上させます。
ウェイトを使わないトレーニングのイメージをお持ちの方が多いですが、ウェイトを使用することで効率良く鍛えることができます。
強度・回数の設定
前述の筋系トレーニングの段階を参考にしていただき、1セット12〜20回をベースに、重量の設定をします。
20回なら20回がギリギリ上げられる程度の重さに設定するということですね。
50回や100回できてしまうような負荷では有酸素運動的な強度になってしまうため、トレーニングに慣れている人ほどウェイトを使用することをお勧めします。
トレーニングの初心者で、自体重のスクワットが20回しかできないということであれば、その20回のスクワットがちょうど筋持久力トレーニングということになります。
次第に慣れてきて50回くらい余裕でできるようになったのであれば、ウェイトを使用して20回がギリギリできるくらいの強度にしましょう。
まとめ
- 筋持久力をつけると疲れにくくなる
- 筋肥大や脂肪燃焼にも有効
- 1セット12〜20回くらいがギリギリの重量を設定する
普段は10回3セットのようなトレーニングしかやってないような人は筋持久力が落ちやすいので、是非導入してみてください!
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